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大河ドラマ「西郷どん」第1話視聴感想です。






……なんだかな……
新年早々、連続してネガティブ記事を書かないといけないのは当方としても辛いのですが、まあ一言で言って、継続視聴の意欲が湧かない内容でした。

言われなければ大ヒットドラマの脚本家のドラマだと分からない。
スイーツとか時代感がないとかいうレベルじゃなく、ただ単に、つ・ま・ら・な・い。
「龍馬伝」と「八重の桜」のそれぞれ第1話の要素に史実エピとフェミ思想をノルマ的にぶっこんで、トンデモ設定で繋ぎ合わせただけ。

冒頭が現代の上野公園、次が明治時代の西郷像除幕式で始まるのは陳腐だけどまあいいとして、西郷未亡人の糸が銅像を見て
「うちの人はこげなじゃなか」
とつぶやく。
それも史実だからまあいいとして、栄えある式典の場でそれを大声で叫ぶとか礼儀知らずすぎてありえない。

まずそこからこのドラマの路線が見えた気がしてがっかり。
次のシーンで青年時代の主人公・西郷が狩りをするシーンに切り替わるのですが、月代剃ってないんだよなあ。
本編が始まっても幼少西郷の子役は頭頂を剃らない町人風の髪型だったし。
近年時代劇の、主役(女主人公の場合はお相手ポジ)は月代を剃ったら負けみたいな風潮は一体何なんですかね。

いい加減に作ってるから細部も本筋もおかしくなるわけで、ナベケン斉彬はそりゃかっこよかったけど、カステラほおばりながら軍事演習。
役者の迫力に頼っても、そういう武士の威儀というものを全くわきまえない演出でドラマの底が早くも割れる。
大体影武者って何よ。
そんなトンデモ設定してまで第1話から斉彬と西郷を絡ませなくてもいいだろう。
脚本力に自信がないから、八重第1話の構造をパクってナベケンをアイキャッチにして視聴者をつなぎ止めようってか。

あと藩主の嫡男が「危ねえじゃねえか!」って……


一番大事なこととして、主人公の人間像がおかしい。
弱いものを見捨てて逃げようとするし糸の正体がばれてもかばってやらないし、変なフェミ思想にはかぶれるし、どう考えても「西郷隆盛」のやることじゃない。
「大久保利通」ならまだわかる。
大久保は女性に対する心情が細やかなところがあり、明治以降はリベラルとまでは行かなくとも西洋志向が強かった。

でも西郷はそんなキャラじゃない。
ついでに言うと、よく伝記や創作物では「虫よ虫よ」の歌が西郷さん人情家の証拠としてひかれるけど、現実の西郷隆盛の庶民や女性に対する態度は「無関心」ではないのか。
弱い者に優しい人間が、西南戦争なんか起こすものか。
西郷さんが好きだったのは「武士」だけだったのだろう。

ちなみに番組最後の予告でを斉彬を「薩摩の救世主」と言ってたけど、斉彬の西洋化政策で年貢は重くなり農民はさらに窮乏したと聞いたことありますけど。
斉彬の搾取はきれいな搾取か。

まあそのこと自体は、当時の価値観や時代状況においては「仕方ない」「当たり前」のことだったのでしょう。
でも歴史の捏造はしないで欲しい。
この大河のコンセプトは「BL大河」だったそうだけど、別にそれを期待していたわけでもないけど男同士の肉感的なまでの結束の強さを描くならそれもありかとは思っていた。

でも、そういう個性も無いドラマだった。
遊び仲間はただのモブ、大久保は「え、いたの?」というくらい空気だし小松帯刀は登場せず。

いちばん目立ってたのが丸坊主の海江田信義って、斬新な薩摩大河だな。
ちょっとしらべたら、この海江田信義こと当時は有村俊斎って、1832年生まれでこの第1話の1840年時点では数え9歳。
茶坊主になったのは11歳の時だからこの時は坊主頭ではないはずですよ。

あと糸も、西郷よりもだいぶ年下だったはずだけどなあ……(西郷糸で検索)……
西郷糸子 さいごういとこ、天保14年(1843年)- 大正11年(1922年)6月11日)

(目をこする顔文字省略)

凄いな。
生まれてもいない女児が男子の徒競走で優勝とか、「君の名は。」を越えるファンタジー現象が起こってたのか。

フェミ思想とか「女はつまらん、男のやってるようなことをさせろ」とか、大河ドラマにそういう台詞を出すななんてことは思いません。
でもそれは言わせる必然性がある場合だけでしょう。

無鉄砲なくせに肝心な所で保身に走る性格な反面、女性への思いやりを持っていた少年が成長して、死を恐れない英雄にして女に冷たい男になる。
そして男社会への反発心とそれに対向する行動力を持っていた少女が、良妻賢母な耐える女になる。
そういう人間の変化の妙味を描くというようにも見えないし。

ヒロインが序盤で女はつまらんから男のするようなことがやりたいとぶちあげて、幼少期が終わるとそんなことは忘れたかのようにただの主婦となる大河ドラマのお約束が今回もというだけでしょう。

そして、女が男のふりをして藩の神聖な行事に参加したということが何の問題にもならない。
薩摩藩士の家なら子供用の甲冑は所持しているものだろうけど、それにしても糸はそれを一人で引っ張り出して一人で着込んで、親にばれないようして家を出たの?
そもそもレースの参加者は厳格にチェックされるもんじゃないの?

右腕を切られるエピソードも、史実ネタを義務的に突っ込んでるだけで唐突にしか思えない。
妙円寺参りで負けたから!
って、いきなり斬りかかる?
勝負に負けたからといって襲撃するような心の曲がった人間だということを、それ以前にきちんと描いておいてくれないと納得できないですよ。
事件後の犯人の少年の根性腐れっぷりはそこだけリアルだったけど。

とどめに、オープニングは音楽も映像もひどい。
一度変な小休止が入って転調するところが直虎風味。
「花燃ゆ」は音楽は神だけど映像はちょっと作り込みすぎかなーと思ってたけど、今回の映像に比べれば雲泥の差。

貶してばかりではなんなので長所もあげると、役者陣はよかった。
そこだけは安心してみていられた。
でもそれは、やっぱりドラマの本質的な部分ではない。

これを今後も見続けるのは辛い。
ざっとですが、以上が「西郷どん」第1話感想です。
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Author:安梓
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