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「なんなんだこのブログ主は、正味21分ぐらいの映像に記事を4回も…どうかしてる」
って、第5話の万次ならいうだろうな…
webアニメ「無限の住人IMMORTAL第5話感想その4、最終です。



※全員同一人物です

閑馬・原作
1994年

閑馬・2008
2008年

閑馬・映画
2017年

閑馬・イモータル
2019年


・「啜れ!」がそこだけ別の声優かというぐらい鋭く若い発声になっていてちょっとどきっとした
原作ではその前の手の平に刀を差すシーンで、密かな激怒、感情の爆発がある
このアニメは閑馬を無感情キャラと捉えているのではなく、感情の発露を原作よりワンテンポ遅らせたということなんだろうか

・演技自体には味わいがあるものの、尺が短いために台詞を言うテンポが早すぎ、凛が血を呑もうかどうしようか苦悩する描写があっさりしすぎなのが残念
「怖いのか?」と指先で顎を押したりする精神責めの妙味が、もっとこう…

・乱入してくる万次が、原作と違い月の逆光でほとんど影になっているのはかっこいい演出
しかし尺のせいで仕方ないとはいえ、台詞がカットされまくって原作や旧アニメであったような、不死身の人斬り同士の言葉での斬り合いが醸し出す魅惑的な恐怖感がだいぶ減ってしまっている
・「こんな簡単なことで他人に虫が移せるのなら…」
の台詞は、やっぱりもっと、200年分の悲哀と孤独と絶望が満ちていて聞いただけで震撼するというような発声でないと
・いやほんと、今アニメのこの第5話が面白かった!と思われた方はぜひ、旧アニメ版の7話を見て欲しいです
怖いのに眼がはなせない異常な吸引力、紺と黒基調の暗い色彩で夜の農村の片隅という色気もへったくれもなく華やかなものを一切欠いている舞台で繰り広げられる血みどろの、呪われた者同士の肉体の削り合いがここまで芸術的になるという悪夢のごとき奇跡
百聞は一見にしかず

・閑馬編では何を置いてもこれがないと…という馬乗り串刺し
実写版では偽八百比丘尼も凛の毒消しも虫のままなのよ!もカットしてたけどこれだけは拾ってた

・串刺し状態を解いて一旦離れる二人

戦い・閑馬

戦い・万次

茶屋での相席シーンに続いてまたこの対比
制作陣はやはり二人の「衣服」「外見」を意識して描いていると思う

元は白かったのに黒で覆われてしまった閑馬
(それでも赤子は殺せなかったり仲間を求めたりその後も凛の言葉に動揺して死を選んだりと、白い部分は残っている)
黒い部分と白い部分を等量にもち、それらが絶えずせめぎあっているが拮抗している万次
閑馬のキャラデザが原作と違って髪が長めで色も黒々とし、袖は筒袖になっているのはもしかして、閑馬の外見から極力白色を減らし、黒色をふやすためだったのだろうか

・斬り合いシーンで背景を白にして二人の動きを目立たせたり、お経の文言を背景にしたりとユニークな試みがされている
動きもちゃんと描けている、とは思うんだが、やはり槇絵編や天津の斧振り回しに比べれば…というレベルなんだよなあ
凛以外の人間が黄金虫を投げるシーンを見られるのは閑馬編だけ!なのに、それも省略されてるし
このアニメで今まで一番動いていると思ったのは2話の土持と凶
次がこの閑馬戦

・黄金虫を投げる凛の表情が、旧アニメよりは気弱さが出ていて原作に近いもののやはり原作よりはだいぶ気丈系の表情と発声
クリエイターがこの場面を手がけたら気丈顔にしたくなってしまうのか
原作のこの時の凛の表情が泣きそうな顔なのは、16歳の少女らしい気の弱さ、心身ともに人の道を外れた者への恐怖、敵ながらあまりに悲惨な境遇であることへの同情、そんな相手に死を強要しなければならない罪悪感、そういうものが集まった必然性のある表情
ただ台詞が「200年生きて何も残せなかった」というものになっているのは、閑馬が本当にショックだったのは人の上に立てなかったことではなく、何も成し遂げられなかったことではないかという制作者の解釈が見えてそこは良かった

・飛び降りて「解体しろジジイ!」の流れは原作通りだけど、これは序盤の、閑馬が200歳だと知らない時の「俺と10歳もちがわねえんじゃねえの?」と対になっている台詞だと思うので、序盤の台詞をカットしているとやや重みに欠けてしまう
あと原作が表現していた、一瞬で人体を解体するスピード感がやはりこのアニメでも感じられず残念だった

・閑馬の死に顔の描写も旧アニメよりは原作に近い…んだけど、「もう疲れた」の悲しい笑顔がなかったのが残念
あるいは制作陣にとっても描くのが辛かったのであろうか…

・この時の万次の問いかける台詞の発声は、万次感が非常に出ていたと思う
5話に来て万次の声がはまってきたと思ったのは、やはり閑馬というキャラと向き合ったからじゃないだろうか

・閑馬は虫を卑小な生き物の象徴みたいにいってるが、実は虫というのは地球上での歴史も長いしサイズ比に対するパワーも凄い、強力な生き物なんだぞ!

・尺が足りないせいとはいえ、墓を作るエピソードがなく、帰り道での「どっちが不幸なのかな」の問答も戦闘終了直後の会話にされたのはつくづく残念無念
閑馬の死に顔が鉛筆画のような筆致と白背景で強調され朝日に照らされているように見えるカットは、これをもって代わりにしたいという制作陣の手向けと解釈した

閑馬の最期

・ただの静止画ではなくちゃんとアニメーションになっていて、髪が風に吹かれている
どれだけの発想力と愛があればこんな演出を思いつくのであろうか…
・さらにその後の最終カット、馬乗り串刺しのシーンでも閑馬絶命直後のシーンでも描かれていた黄色く小さい花が風にゆれている
暖色系ではあっても血の色を連想させる赤系統ではなく。黄色というのが、もうね…
制作陣の無限の愛情に脱帽するしかない

・閑馬は原作では辛い人生を送って最期も悲しいものだった
メディア化でもそれは変えられないけど、そのたびに制作陣のこだわりと情念が感じられるリスペクトの漲る演出がなされている
これをもって供養になればと願うばかり
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Author:安梓
読書と映画鑑賞が趣味の安梓です。

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